成年後見制度見直しで議論 共生社会の在り方検討会議(厚労省)

2024年0902 福祉新聞編集部

厚生労働省の地域共生社会の在り方検討会議(座長=宮本太郎中央大教授)が8月21日に開かれ、成年後見制度の見直しに向けた対応などについて議論した。

法務省の法制審議会部会は4月から後見制度の見直しに向けた議論を開始。途中で後見制度が不要でも原則中止できないことや、後見人の交代ができない問題について見直す方針を示している。

そうした動きを踏まえ厚労省は会合で、後見制度を中止した後に本人の地域生活を支えるためにどんな連携体制をつくるかを検討事項に挙げた。家庭裁判所との調整や支援をコーディネートする中核機関の位置付けについても議論する。

会合では、福岡県大川市の担当者が身寄りのない人らを対象に、行政手続きなどの意思決定支援や金銭管理を民間団体と連携して行う独自事業を説明した。具体的には、大川市社会福祉協議会に委託し、金融機関とも連携しながら日常的な金銭管理などをサポート。また、社会福祉法人の連絡会や民生委員が意思決定サポーターを担い、月2回の訪問や同行支援などを行う。本人負担は月1846円とした。

担当者は関係団体との連携体制ができたことを評価する一方、病院の付き添いを誰が担うかについては国の制度的な対応が必要だと指摘。金銭管理や意思決定支援は、継続するための財源が必要との認識を示した。