紹介事業、届け出制を検討 〈有料老人ホーム検討会〉

2025年0630 福祉新聞編集部

厚生労働省は6月20日、有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会を開き、これまでの議論を整理した。入所者を紹介して高い報酬を得る紹介料ビジネスについては問題があるとの見解を示し、対策の一つに届け出制を挙げた。

有料老人ホームをめぐっては、一部で入居者の介護の必要度に応じて高額な紹介手数料を支払うケースが判明。入居者へ過剰に介護サービスを提供する「囲い込み」なども問題視されていた。そうした中、検討会は関係団体などからヒアリングを行っていた。

議論の整理案は、紹介手数料の問題について社会保障の観点から問題があると指摘し、是正を求めた。その上で、届け出制や登録制の導入、国が認める資格制度を検討するよう提案している。

囲い込み問題に関しては、請求内容と実態に乖離があっても書類が整っていれば立証は困難で、自治体の指導権限にも限界があると指摘。有料老人ホームに対する標準指導指針は行政指導であり強制力がないことから、法的に適切に介入できる体制づくりを求めた。

このほか、介護施設と同様の事故報告義務や、虐待防止や認知症対応などの職員研修が必要ではないかと提案。契約締結前の説明義務や、広告表示の規制強化も盛り込んだ。検討会は今後も議論を続け、今秋に報告書をまとめる予定だ。