精神科病院での虐待対応手順示す 厚労省社保審障害者部会

2023年1130 福祉新聞編集部

厚生労働省は20日、精神科病院の職員による患者への虐待に関連し、通報を受けた都道府県の対応の手順を事務取扱要領(案)として社会保障審議会障害者部会(座長=菊池馨実・早稲田大教授)に示した。近く、都道府県に通知する。

 

委員からは虐待発生後、転院を希望する患者に都道府県が対応することが必要だとの声が上がったが、厚労省は一律にそうしたルールは設けないとした。個別の虐待事案を国が都道府県から報告を受けるかどうかも個別事情によるとした。

 

事務取扱要領(案)は(1)通報の受付票(2)事実確認のチェックシート(3)行政としての対応方針決定シート――の様式をそれぞれ示している。

 

精神科病院での虐待に関する通報制度は2022年12月成立の改正精神保健福祉法に規定された。施行は24年4月1日。通報を受ける都道府県の対応手順は必ずしも明確でなく、実効性が問われていた。