デフリンピック、観客は過去最多28万人 ろうあ連盟「共生社会実現が目標」

2025年1225 福祉新聞編集部
倉野事務局長

日本が過去最多51個のメダル獲得に沸いた「東京2025デフリンピック」(11月15~26日)について、全日本ろうあ連盟の倉野直紀デフリンピック運営委員会事務局長が4日、都内で開かれた障害者団体のフォーラムで実績を報告した。

デフリンピック100周年で初めて日本で開催され、79の国・地域と3チームから過去最多の3081選手が参加。最高齢は84歳、最年少は13歳だった。

デフリンピックの知名度が低く、心配していたという観客数は約28万人。過去最多となり、「都と一緒にPRしたのが効果的だったのでは」と振り返った。さらに全21競技をユーチューブで配信し、視聴者が延べ320万人に上ったことも想定以上だったという。

ボランティアは約3500人集まった。手話ができることを条件にしなかったのは「いろいろな人に関わってもらうことが共生社会につながるため」と述べた。

競技会場のスクリーンに音声を文字にして表記したり、18のろう学校の児童生徒ら約850人の競技観戦をサポートしたりした。また、デフアスリートがろう学校や小中学校計50カ所を訪ね、延べ約5400人の児童生徒に授業した。

国歌(君が代)斉唱は日本の手話で行ったが、政府が公式に決めたものではないため、国に作成するよう要望しているとした。

倉野事務局長は「大会を開くことが最終目的ではない。手話言語を広め、聞こえない人も聞こえる人も、共に暮らす共生社会の実現が大きな目標だ」と話した。

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