「世界メンタルヘルスデー」に合わせ東京タワーライトアップの点灯式

2023年1015 福祉新聞編集部
点灯のスイッチを押す美珠さんと公一さん(中央)

国際記念日「世界メンタルヘルスデー」(10月10日)にちなみ、東京タワーをライトアップする点灯式が10日夜、開かれた。メンタルヘルス(心の健康)の理解を深めるため2020年10月に始まり、今年で4回目。今回のテーマは「若者がメンタルヘルスを語る」。

 

例年は主催団体「シルバーリボンジャパン」(関茂樹代表、横浜市)にちなんで銀色に輝いたが、今回は銀色と世界メンタルヘルスデーのシンボルカラーの緑色が5分ごとに切り替わる仕掛けを初めて採用した。

 

「世界メンタルヘルスデー」に合わせて10日に開かれた東京タワーの点灯式には、辺見聡・厚生労働省障害保健福祉部長、田村綾子・日本精神保健福祉士協会長のほか、統合失調症の和田公一きみかずさん(54・横浜市)と長女の美珠さん(16)が参列した。

 

福祉を学ぶ高校2年の美珠さんは両親とも精神疾患があることをめぐり、周囲から心配されたり不憫ふびんだと思われたりした経験を話した。「幸せかどうかを決めるのはこどもであり、周りではない。差別する人は精神疾患のことを知らないだけだろう」と語った。

 

公一さんは「若い人の感性でこのようなイベントを続けていけば、日本の精神保健は絶対に変わる」と強調し、主催したシルバーリボンジャパンの関茂樹さんも自身の精神疾患の経験に触れ「夢や希望といったポジティブな可能性を諦めるのはやめませんか」と呼び掛けた。

 

点灯式を後援した厚労省は、同じ時間帯に東京大で若者のメンタルヘルスに関するトークイベントを開催。俳優の星乃夢奈さん(18)らが自身の経験を語り、若者に向けてエールを送った。

 

点灯式、トークイベントの模様を収めたアーカイブ動画は、いずれもユーチューブで配信される。