優生保護の補償金認定1317件 被害者と国の協議、周知広報など課題

2025年1023 福祉新聞編集部
会見する被害全国原告団や弁護団など

旧優生保護法(1948~96年)問題の全面解決に向けた被害者側と国の第2回協議が9月30日に開かれた。こども家庭庁は強制不妊手術の被害者に対する補償金などの認定件数が、8月末時点で1317件になったと報告した。被害者側は、すべての被害者に対する補償や、障害者への差別偏見を根絶する恒久対策などを求める要請書を提出した。

2024年7月、障害を理由に不妊手術を強制した旧法を違憲とし、国に賠償を命じる最高裁判決が出され、同年9月、被害者側と国が締結した基本合意で定期協議の場を設けるとされた。

1月の補償法施行から8月末までの相談は5451件、請求は1970件。いずれも月を追うごとに減っており、より一層の周知広報が必要とされた。強制不妊手術の被害者推計2万5000人などと比べると少なく、被害者側は「これまで以上に踏み込んだ施策、積極的な対応が必要不可欠」と訴えた。

相談件数に都道府県格差があることも課題に挙げ、対策として市町村窓口の設置や、相談、申請時の情報保障を含む合理的配慮、アクセスしやすい相談体制などを求めた。

ほかに、把握している被害者への個別通知も要望(実施済み都道府県は5カ所)。個人情報保護の問題で難しい場合は全国民に送付することも提案した。

出席した三原じゅん子こども政策担当大臣は改めて謝罪し、「問題解決に向けて全力で取り組み続けていくことを約束する」と述べた。

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