アルコール依存症疑い64万人超 久里浜医療センター調査

2025年1003 福祉新聞編集部
調査結果より

生涯に一度でもアルコール依存症の診断基準を満たす人は推計で約64万4000人いることが、国立病院機構久里浜医療センターの「2024年度飲酒と生活習慣に関する調査」結果速報(厚生労働省補助事業)で分かった。20歳以上人口の割合でみると男性1・2%、女性0・2%で、全体では0・6%だった。

調査は24年8~11月に満20歳以上の8000人を対象に実施(質問項目で有効回答者数が異なる)。アルコール健康障害対策基本法に基づき約5年ごとに行っている。前回調査(18年度)と比べ、アルコール依存症と疑われる人数、割合とも大きな変化はなかった。

飲酒経験のある人は全体の87%。習慣的に飲酒を開始した年齢は26・8歳(男性24・8歳、女性29・8歳)。男性の飲酒頻度は1週間に4回以上が33%で、特に50~70代で割合が高かった。多量飲酒者(一度に純アルコール量60グラム以上)の割合は全体の11%。

厚労省が24年に作成した飲酒ガイドラインでは、生活習慣病のリスクを高める量を、1日の純アルコール量に換算して男性40グラム以上、女性20グラム以上としている。飲酒ガイドラインについては、86%が「知らない」と答えている。

なお、厚労省は現在、同法に基づくアルコール健康障害対策推進基本計画の第3期(26年度から5年間)の内容について議論を進めており、年内に報告書をまとめる。

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