現場の実践学び合う かながわ高齢者福祉研究大会

2025年0716 福祉新聞編集部
ユーチューブの活用について話す山田さん(右)

高齢者福祉の現場実践を学び合う「第22回かながわ高齢者福祉研究大会」が2日、パシフィコ横浜(横浜市)で開かれ、特別養護老人ホームなどで働く700人以上が参加した。神奈川県社会福祉協議会老人福祉施設協議会の主催。

大会は県内の高齢者福祉の質向上などを目的に2003年から開始。今年は36件の研究や9件の介護技術に関する発表があった。

社会福祉法人若竹大寿会の白神誠敬さんは、本部の業務をDX(デジタルトランスフォーメーション)化した過程について報告した。まずは業務を棚卸しし、「ムリ・ムラ・ムダ」を調査。必要な機能を浮き彫りにした上で、導入する機器を選定した。その結果、導入後の労務担当者の労働時間が23%削減。30拠点を運営する同法人にとって職員7人分になるという。白神さんは「改善の結果、どう職員の処遇改善や昇給につなげるかが課題」と語った。

また、社会福祉法人相模福祉村が運営する縁JOYの山田崇臣さんはユーチューブを活用した広報について発表した。これまでイベントの準備風景など100本を超える動画を製作し、総視聴回数は4万回。山田さんは使用する備品やアプリなどを紹介し「ユーチューブで特養と検索しても3000本ほどしか動画がない。もっと施設が発信することで魅力向上につなげてはどうか」と話した。

このほか、社会福祉法人慶寿会が運営するカトレアホームの大島義明さんは、聴覚障害のある職員の雇用に伴う環境づくりを報告。神奈川県社会福祉事業団が運営する横須賀老人ホームの職員らは、全職員を巻き込んで作ったアクションプランの成果などを話した。

発表は審査員によって点数が付けられ、4会場ごとに優秀賞を決定。さらに最優秀賞受賞者には、秋に神奈川県知事賞が授与される。

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