児童養護施設出身者が意見発信(リーチ奨学育英会)
2024年10月16日 福祉新聞編集部児童養護施設出身者が意見を述べる「スピークアウトとテーブルマナーの会」が9月29日、ホテル日航立川東京(東京都立川市)で開かれた。一般社団法人リーチ奨学育英会(高橋利一代表理事)が定期開催しているもので今回が9回目となる。児童養護施設「至誠学園」など4施設で暮らす高校生、施設出身者、支援者らが参加した。
至誠学園で2歳から18歳まで過ごした鈴木裕樹さんは専門学校に進学後、自動車用品大手の会社に就職。車の整備などを学び続ける日々だ。
当初はスポーツインストラクターも考えたが、長く続けられるかを基準に今の仕事を選択したと説明。「社会ではいろんな壁にぶつかる」と話し、自分の家族でもある施設時代の仲間や職員に相談することが大切だと訴えた。
トワイライトステイをきっかけに5歳から中学卒業まで至誠学園で暮らした古山亮太さんはオンラインで登壇した。現在、香港の日系商社で、さまざまな素材を販売する仕事をしているという。
古山さんは大学に進んだ施設の先輩を見て、法政大に進学。在学中に海外経験をしたことから、将来を世界に目を向けるようになったという。今後は起業も考えており「自分の人生は自分で決め、やりたいことを精いっぱいやってほしい」と呼び掛けた。
このほか、米国やフランスに国際養子縁組した2人の卒園生からのメッセージも読み上げられた。高橋代表理事は「自分の意見を壇上で伝えることは非常に意味がある。次回は10回目の節目なので、政策につながるような催しになれば」と話した。