総務省がこども家庭庁に改善勧告 里親の保育所優先利用周知を

2024年0615 福祉新聞編集部

総務省行政評価局は7日、里親が安心して児童を養育できる環境の整備をこども家庭庁に勧告した。登録里親の半数以上を占める共働き世帯への委託が低調だと指摘。保育所入所時に里親に対して点数加算をしていない市町村があるとし、保育所の優先利用の周知徹底を求めた。

同局が29児童相談所に実施した調査によると登録里親のおよそ7割が未委託の状況で、その主な理由は里親の希望とこどもの属性のミスマッチ。里親の受け入れ希望の幅を広げるのに効果的だとし、短期委託やショートステイ事業の活用促進も促した。

加藤鮎子こども政策担当大臣はこの日の記者会見で、「共働き世帯の里親が増加する中、里親委託と就業の両立を支援することは重要な課題」だとし、里親に委託されたこどもの保育所優先利用の周知を徹底していくとした。

社会的養護の下に置かれているこどもは4万1773人。このうち、児童養護施設、乳児院で暮らすこどもが最も多く、2万5359人。里親やファミリーホームで養育されるこどもはおよそ2割に当たる7798人となっている。