社会的養護の充実を 九都県首脳会議が加藤大臣に要望書

2024年0608 福祉新聞編集部
加藤大臣(左から2人目)に要望書を手渡す本村市長

千葉、埼玉、東京、神奈川の4都県と横浜、川崎、千葉、さいたま、相模原の5市の首長で構成する「九都県市首脳会議」は5月29日、社会的養護の充実を国に要望した。

この日、本村賢太郎相模原市長がこども家庭庁を訪れ、加藤鮎子こども政策担当大臣に、児童養護施設など社会的養護を必要とするこどもを支えるための施設や、里親への支援を拡充することなどを求める要望書を手渡した。

要望書では、社会的養護を必要とするこどもが心身ともに健やかに育つためには「里親や児童養護施設などの職員による手厚く、きめ細かな支援が提供される必要がある」と指摘。施設整備、人材確保・育成、里親支援の3本柱で、施策の拡充などを求めている。

施設整備では、施設の小規模化や地域分散化に伴う補助の拡充を要望。今年度までとされている小規模グループケア加算の経過措置期間を延長することが必要だと指摘した。加えて、施設で働く職員の確保が困難になっている現状も訴えており、処遇改善加算の見直しや職員の宿舎借り上げ制度の創設を求めた。

また、里親制度の認知が充分ではなく、「里親希望者の開拓に苦慮している」とし、積極的な普及啓発と里親支援の充実を図る財政措置を拡充するよう要望した。