三重県が児童虐待の再発防止策 児相職員の人材育成など

2024年0430 福祉新聞編集部

津市で昨年5月、4歳の女児が母親からの虐待で死亡した事件を受け、三重県は10日、人材育成などを柱とした再発防止策を公表した。県は昨夏から、在宅指導する家庭のこどもの対面による安全確認を徹底するなど対策を進めており、今回は3月末に県児童虐待死亡事例等検証委員会から提出された報告書を踏まえて新たな対応案を取りまとめた。

報告書では、保育所の欠席が続いた女児を児童相談所が対面による安全確認ができていなかったことや、こどもの体重減少が虐待疑いの指標であるという認識が保育所で不足していたことなどを課題に挙げている。

報告書の提言を踏まえて県が取りまとめた再発防止策では、児相職員や保育士への研修を開催するなど人材育成を強化する。5月末までに児相全職員を対象にした研修を実施するほか、本年度前半をめどに児相職員の人材育成計画を策定する。保育士に向けては虐待をテーマにした研修を8月末までに実施する。

このほか、女児が乳児院に措置入所された後に家庭復帰していた経緯を踏まえ、報告書は施設入所中のこどもが親と会う機会を確保するなど、こどもの愛着形成のための方策を確実に講じる必要があると指摘。防止策では乳児院に入所し、家庭復帰を予定しているこどもについては原則月1回以上の親子交流を実施することとした。

また、児童虐待の「リスクアセスメントシート」に出産の経緯や養育力をチェックする項目を追加する。