虐待防止に地域で連携を 子ども・子育てフォーラム開催(全社協)

2024年0327 福祉新聞編集部
団体幹部が一堂に会した=全社協提供

改正児童福祉法の施行を前に全国社会福祉協議会は13日、灘尾ホール(東京都千代田区)で、子ども・子育て全国フォーラムを開催した。保育や社会的養護関係者が参加。今後、各地域で関係団体と連携しながら、支援を展開することを確認した。

 

4月施行の改正法は、虐待対応件数の増加が続く現状を踏まえ、子育て世帯への支援体制を強化する。保育所などが地域の身近な相談機関となり、地域の状況を把握。市区町村の「こども家庭センター」は支援が必要なこどもへのサポートプランを作る。

 

村木厚子・全社協会長は自身の子育て経験や厚生労働省の官僚時代の経験などを振り返り、「福祉全体の考え方は変わった」と指摘。従来のような課題解決だけでなく、本人と支援者がつながり続けるアプローチの両輪が必要だと説明した。その上で、今後は保育や社会的養護の支援を地域で展開して網を作ることが重要だとした。

 

また、全国保育協議会、全国保育士会、全国児童養護施設協議会、全国乳児福祉協議会、全国母子生活支援施設協議会の幹部が登壇し、提言を述べた。

 

伊藤唯道・全保協副会長は親の就労状況を問わない「こども誰でも通園制度」への期待を話し「試行の間に、こどもにより良い制度になるよう取り組む必要がある」と指摘。村松幹子・保育士会長は現場の声を集めて社会に発信することが重要だとした。平田ルリ子・全乳協会長は、こどもの権利擁護のために一層の研さんを積む必要があると強調。荒井惠一・全母協会長は従来の待ちの姿勢から予防的な関わりへ転換する必要があるとした。

 

さらに則武直美・全養協副会長は「社会に求められる役割を受け止めるべき」と述べ、人材確保や定着も重要との認識を示した。