メイクや料理、マナー学ぶ 施設で暮らす高3が参加(資生堂子ども財団)

2024年0311 福祉新聞編集部
メイク講座は資生堂の美容専門職が担当した

資生堂子ども財団(塩島義浩理事長)は3日、資生堂本社(東京都港区)で、今春卒業する児童養護施設などで暮らす高校3年生を対象に「社会への巣立ちフェスティバル」を開催した。東京、千葉、神奈川から約140人が参加し、社会で役に立つ知識などを学んだ。

 

午前9時半、同社の研修室には真新しいスーツを身にまとった参加者が集まった。スーツは、専門店「AOKI」から提供されたという。

 

開会あいさつで福原義久・同財団常務理事は、成人になれば守ってくれたものが減ると指摘。「必要以上に自分を立派に見せる必要はないが、自分の身を守り、攻めに転じられる知識を身に付けてもらえれば」とエールを送った。

 

続けてAOKIの担当者が講義。「身だしなみは自己表現のおしゃれとは違い、相手のためのものだ」と強調し、髪型やビジネスマナーなどについて解説した。

 

男女に分かれ、資生堂ジャパンによるスキンケア講座もあった。女性には日焼け止めやマスカラなどが配られ、参加者たちは美容専門職のアドバイスを受けながら眉を描いたり、口紅を塗ったりした。最後に講師が「メークをしても、笑顔を忘れては台無し。表情づくりを意識して」と呼び掛けた。

 

このほか、エバラ食品工業による簡単レンジ調理教室や、SMBCコンシューマーファイナンスによる家計管理の講座もあった。

 

同財団は、資生堂の創業100周年事業として1972年に設立。これまで児童養護施設や乳児院職員を対象にした海外研修や助成事業、調査研究などを行っている。

 

同財団の設立50周年をきっかけに2022年から資生堂社会福祉事業財団から現在の名称に変更している。