社会的養育部会が来年度予算を議論「人材確保は簡単ではない」(こども家庭庁)

2024年0207 福祉新聞編集部

こども家庭庁のこども家庭審議会社会的養育・家庭支援部会(部会長=山縣文治・関西大教授)が1月23日に開かれ、来年度予算などについて議論した。

 

4月から施行される改正児童福祉法で市区町村は、こどもへの包括的な相談支援を行う「こども家庭センター」を設置することが努力義務となる。また、訪問支援や親子関係形成支援など家庭支援も充実。さらに里親の開拓や研修などを行う「里親支援センター」も新たに位置付ける。

 

会合で橋本達昌・全国児童家庭支援センター協議会長は、市町村で福祉専門職採用が少ないことなどから、こども家庭センターの人材確保は簡単ではないと指摘。「児童家庭支援センターも含め、社会的養護施設の人材をいかに自治体で活用するかが最重要課題だ」と述べ、施設から自治体への出向を進めるべきとの考えを示した。

 

村上幸治・全国母子生活支援施設協議会副会長は、法改正により家庭支援のメニューが増えた点を評価。ただ、予算不足を理由に自治体が支援を行わない可能性があることを懸念し「どこに住んでも同じ支援を受けられる環境を整えてほしい」と語った。

 

横川哲・全国乳児福祉協議会副会長は、乳児院の4割がフォスタリング機関を運営している現状を踏まえ「里親子の関係構築支援も重要だ。不調防止についても取り組みを充実させたい」と話した。