福祉以外の分野と連携 地域共生社会在り方検討会で議論(厚労省)

2024年1018 福祉新聞編集部

厚生労働省の地域共生社会の在り方検討会議(座長=宮本太郎中央大教授)が9月30日に開かれ、福祉以外の分野との連携による地域共生社会をテーマに議論した。

2020年の改正社会福祉法は、地域福祉の推進にあたり、福祉だけでなく、幅広い関係者と連携することを国や自治体の責務として定めている。

会合で阪南市(大阪府)と同市社会福祉協議会の担当者が漁業との連携について発表した。同市では、民生委員だった漁師が「漁業も福祉と一緒にやりたい」と話したことをきっかけに、同市社協が関係者のつながる場を設定。その結果、漁港に高齢者やこどもが集まる「地域食堂」や、不登校児童を招いた「釣りプロジェクト」、少年院生が参加するカキ養殖ボランティアなどさまざまな活動につながったという。

同市社協の猪俣健一事務局次長は取り組みが広がった要因について、市が社協を市民の要に位置付けて活動の柔軟性を重視してくれたためだと強調。「行政や社協、専門職の都合で住民を活用すると、住民活動が制度サービスの奴隷になる。住民主体の形成こそが本当に重要だ」と訴えた。

会合ではこのほか日本生活協同組合連合会や総務省、環境省なども福祉との連携について発表した。