看護師確保指針を告示 介護施設での実習充実〈厚労省・文科省〉

2023年1104 福祉新聞編集部

厚生労働省と文部科学省は10月26日、看護師人材確保促進法に基づき策定する看護職員等確保指針を30年ぶりに改定・告示した。介護施設など病院以外で働く看護師が増加していることを踏まえ、病院に準じた取り組みを行うよう求めた。

 

指針は、1990年からの30年間で働く看護師が90万人増え、173万4000人になったことを評価しつつも、2040年を見据えると看護師不足が懸念されることや、需要が増えている訪問看護の看護師確保が難しいことなどの課題を報告。処遇改善、研修などによる資質向上、感染症などに対応できる看護師の確保を進めることが必要だとしている。

 

具体的な対策では、月8回以内の夜勤体制構築や、キャリアアップに応じた昇給環境の整備、70歳までの継続雇用実現などに向けて努力することを明記。養成校、職場でのハラスメント防止対策も必要だとした。

 

介護・福祉関係では、介護保険施設(17万3000人)や福祉施設(3万3000人)など病院以外で働く看護師が増えており、領域ごとの課題に応じた確保対策を講じることが重要だと指摘。病院以外の需要増に対応するため多様な場での実習を充実するとした。

 

また、訪問看護や小規模多機能型居宅介護事業所の看護師確保を進めるため、管理者に対する研修・相談を行う必要性も指摘。仕事と育児を両立できるよう院内保育所の整備促進や、育児、介護、看護休暇などを適切に取得できる環境の整備も求めた。