未遂者の対策急務 若者を重点的に分析〈自殺対策白書〉
2025年11月04日 福祉新聞編集部
                                                                                                                                                                                    政府は10月24日の閣議で2025年版の自殺対策白書を閣議決定した。自殺者が減少傾向にある中、若者は20年以降、年間3000人超で高止まりし、特に若年女性が増えていることから、若者の自殺を重点的に分析した。
白書は15~29歳を若者と定義し、22~24年の統計を基に性別、職業の有無などで傾向を捉えた。それによると、若年女性の自殺者は未遂歴のある人が4割を占め、若年男性の場合(2割)よりも高かった。
自殺の手段をみると、若年女性は若年男性に比べて「服毒(医薬品)」の割合が高いことも判明。自殺目的とは限らない、市販薬の過量服薬(オーバードーズ)が若年女性に多いこともかねて問題視されてきた。
白書は自殺未遂した若者を再び自殺に追いやらないよう救急医療機関での精神科医の診療体制の充実、若者の孤立を防ぐための居場所づくりといった対策が重要だとした。
24年の15~29歳の自殺者数は3125人で、男性(1859人)が女性(1266人)より多い。女性は19年以降増える傾向にあり、15~19歳は24年に女性(347人)が男性(313人)を上回った。
このほか、若者の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者)の15~24年の平均値をみると、男性の無職者が他の属性に比べて著しく高いことが判明。自殺の原因はうつ病、統合失調症、その他の精神疾患が上位を占めていた。

                                                                
                                                                
                                                                
                                                                
                                                                
                                                                