こどもの自殺願望2倍 コロナ禍前と比較調査〈国立成育医療研究センター〉

2025年1214 福祉新聞編集部
新入院患者数推移(希死念慮・自殺企図)=プレスリリースより

死にたいと思う気持ちを抱えたり、実際に自殺を図ったりしたこどもが医療機関を受診・入院する例が、新型コロナウイルス感染拡大が始まる前の約2倍に上ることが、11月27日、国立成育医療研究センター(東京)の調べで分かった。

同センターはコロナ禍での休校や行事の中止といった学校環境、親の就労問題やSNSといった生活環境がメンタルヘルスに与えた影響は今も残っていると分析。「今後も周囲の大人がこどもたちの生活を注視することが重要だ」としている。

調査は同センターが全国31カ所の協力医療機関を対象に実施。コロナ禍前後の2019~24年度に、「死にたい」と考える▽自殺を図る▽摂食障害――の3点を理由に新たに入院した20歳未満を対象に分析した。

「死にたい」「消えてしまいたい」といった「希死念慮」を抱えて入院した人は、19年度の62人から24年度は111人へと1・8倍になった。

自殺を図って入院した人(自殺企図)も40人から2・1倍の85人に増えた。初診外来についても希死念慮がこの5年間で1・5倍、自殺企図が2・3倍に増えた。

極端に食事を制限したり、食べたものを吐いたりする摂食障害の入院数はこの5年間で1・4倍、初診外来は1・5倍に増えた。

希死念慮、自殺企図はいずれも男性より女性が多い。摂食障害はもともと女性が圧倒的に多いが、男性はこの5年間で3倍弱増えた。

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