こどもの自殺、女子が男子を上回る 昨年の暫定値公表(厚労省)

2025年0205 福祉新聞編集部

厚生労働省は1月29日、2024年の年間自殺者数が2万268人(暫定値)で、23年より1569人減ったことを公表した。ただし、小中高生は527人で前年より14人増えた。このままの人数で確定した場合、1980年以降で最多となる。

男女差を比較できる2009年以降、男子が女子よりも多い傾向が続いていたが、24年は女子が288人で、男子(239人)を初めて上回った。中学生は男子が9人減ったのに対し、女子は19人増えた。高校生は男子が15人減り、女子は17人増えた。

20代から70代までは男女とも減ったのに対し、20歳未満に限ると男性が61人減、女性が51人増だった。80歳以上は男性が4人増え、女性は30人減った。

若い女性の自殺増の傾向が顕著に表れた。厚労省は詳細な分析を進め、3月に確定値を公表する。政府は23年6月に「こどもの自殺対策緊急強化プラン」をまとめ、若年者の自殺対策を進めている。

こども家庭庁は自殺未遂をしたこどもの要因分析をめぐり、25年度は医療機関、児童相談所、学校の間で情報共有するモデルづくりに着手する。

石破茂首相は1月21日、「いのち支える自殺対策推進センター」を視察し、「昨年、自殺する人の数は減ったが、こどもたちの自殺は増えている。非常に大きな課題だ」と述べた。