2024年、孤立死2万人超 内閣府が初の推計
2025年04月20日 福祉新聞編集部
内閣府の有識者会議は4月11日、自宅で誰にも看み取とられず亡くなり、社会的に孤立していたとみられる「孤立死」に関する初の推計を発表した。2024年は2万1856人で、年齢別では65歳以上が7割を占め、男女別では男性が8割を占めた。

孤立死の推計値
孤独死・孤立死の実態把握に関するワーキンググループ(WG、座長=石田光規早稲田大教授)が2年間の議論をまとめた最終報告で明らかにした。単身世帯の増加により孤独や孤立の問題が深刻化する懸念があるとし、この推計値を分析して対策に取り組むよう政府に求めた。
自殺は除外しない
推計の基にしたのは、警察庁が11日に発表した「警察取扱死体のうち、自宅で死亡した1人暮らしの人」(24年)だ。そのうち死後8日以上経過して発見された人を「社会的に孤立していたと強く推認される」と判断した。自殺は除かないこととした。
「孤独」は主観的なものであり、客観的な「孤立」について死亡者数を推計することに意義があるとした。定義があいまいだった「孤立死」については「誰にも看取られることなく死亡し、その遺体が一定期間後に発見されるような死亡の態様」と仮置きした。
死後8日以上が目安
「一定期間」とは、医師によって推定された死亡日から警察が察知した日までを指し、一律の日数で区切ることは困難だとしつつも、その目安を「8日以上」とした。「死後4日以上」でデータを取れば、24年の孤立死は3万1843人という。
孤独・孤立をめぐっては24年4月に対策推進法が施行され、政府は6月に重点計画を発表。今年2月には内閣府が孤独・孤立の予防策を議論する「あんしん・つながりプロジェクトチーム」を設置。今夏にも報告書をまとめる予定だ。