こどもの自殺が過去最多の529人 24年度確定値〈厚労省〉
2025年04月07日 福祉新聞編集部
厚生労働省は3月28日、2024年の年間自殺者数が2万320人(確定値)で、前年より1517人減り、1978年の統計開始以降2番目に少なくなったと公表した。一方、小中高生は前年より16人多い529人となり、統計のある80年以降最多となった。男子は2年連続で減り、女子は2年連続で増えた結果、女子が初めて男子を上回った。
三原じゅん子内閣府こども政策担当大臣は同日の会見で「自殺未遂者と家庭を地域で包括的に支援する体制の構築に向けて、来年度新たに調査研究を行う予定だ」と話した。
女子中高生が急増
自殺したこどもの内訳をみると、女子中学生と定時制・通信制高校の女子が大きく増えた。高校生の自殺者数は全日制が多いが、自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は定時制・通信制が全日制より高いことが2023年3月の有識者会議で判明した。

小中校生の自殺者数の推移
女子中高生の自殺原因として男子よりも顕著に多いのが「健康問題」だ。うつ病をはじめメンタルヘルスの課題が背景にあるとみられている。
また、厚労省は生前の住所をもとにした都道府県別のこどもの自殺者数を初めて公表した。東京(75人)▽埼玉(43人)▽神奈川(39人)の順に多かった。都道府県レベルでの対策強化を促すのが狙いだが、自殺死亡率での比較は見送った。
超党派の議員連盟は今国会で自殺対策基本法の改正を目指す方針で、自殺未遂者への継続支援を盛り込む方向で検討している。