若年女性の自殺増 厚労省、昨年の暫定公表

2024年0206 福祉新聞編集部

厚生労働省は1月26日、2023年の年間自殺者数が2万1818人(暫定値)で、22年より63人減ったことを公表した。男性は22年より多い1万4854人、女性は22年より少ない6964人だった。ただし、20代までの若年者に限ると、男性は22年より106人(5%)減ったが、女性は153人(13%)増えた。

 

若年女性の自殺増が目立つ結果となり、厚労省は今後、詳細な分析を進める。3月には確定値を公表する。

 

小中高校生の自殺は過去最多だった22年より7人少ない507人。男子は34人減の259人、女子は27人増の248人だった。

 

政府は23年6月に「こどもの自殺対策緊急強化プラン」をまとめ、若年者の自殺対策を進めている。厚労省は「多くのこどもや若者が利用するSNSの相談事業を強化するなどしたい」としている。

 

自殺の原因(全年齢)に着目すると、男女差がみられる。「親子関係の不和」「その他の家族関係の不和」「家族からのしつけ・叱責」「職場の人間関係」を理由とした自殺は、男性は22年よりも減ったが、女性は増えた。

男性は30代から増加

男性の場合は30~60代の自殺が22年よりも298人(3・3%)増え、反対に女性は30~60代の自殺が183人(4・8%)減った。30歳を境に、男女の自殺傾向が明確に分かれた。

 

男性の自殺原因として22年よりも増え、なおかつ女性の自殺原因として減ったのは「夫婦関係の不和」「家族の将来悲観」「上司とのトラブル」だ。「生活苦」は男女とも増え、特に女性の伸びが顕著だった。