緊急経済援助に7億円 社会貢献20周年のつどい(大阪府社協老人施設部会)

2023年1213 福祉新聞編集部
西田部会長(左)から表彰を受けた秀幸福祉会の中尾巌理事長

大阪府社会福祉協議会老人施設部会(西田孝司部会長)は11月29日、大阪市内で「社会貢献事業(生活困窮者レスキュー事業)20周年のつどい」を開いた。同時に「20周年記念小史」を発行し、この19年間で約6万4000件の総合生活相談を受け、緊急経済援助として約1万1000世帯におよそ7億円の現物給付を行ったことなどを報告。今後も「地域の声に応えていく」とした。

 

「縦割りになりがちな福祉を横に割って、早く手を伸ばして地域全体の福祉の向上につなげていく。そんな今の福祉が目指す方向を、大阪のみなさんが一番最初に示してくれたと思っています」

 

全国社会福祉協議会の村木厚子会長は、こうあいさつして続けた。

 

「私は(6月に)全社協の会長になりましたが、これからも大阪の背中を見て頑張ります。ぜひみなさん、先を走ってください」

 

社会貢献事業は2004年度にスタート。老人施設部会の会員施設が特別部会費を出し合って社会貢献基金をつくり、「この地域(まち)を支えます」を合言葉に活動し、15年度からは、大社協のすべての種別部会が参画する「大阪しあわせネットワーク」に発展した。

 

特別部会費は年間7000万~1億1000万円に上り、04~22年の19年間で合計約16億円になっている。

 

施設に所属する総合生活相談員(CSW)と大社協に所属する社会貢献支援員が連携。アウトリーチを行って、ワンストップで生活困窮者の相談に応じ、緊急時には、おおむね10万円を限度に経済的援助をしてきた。

 

20周年を記念して「社会貢献事業・優秀実践アワード(きらっと光る実践)」も創設した。集いでは、自治会が解散し高齢化が進む団地の活性化に貢献したとして「大賞」に選ばれた社会福祉法人秀幸福祉会(茨木市)など10施設1団体が表彰された。

 

大阪府からも吉田真治福祉部長ら11人が出席した。吉田部長は「大阪万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』。みなさんとのご縁を大切にして『いのち輝く地域共生社会』をつくっていきます」とあいさつした。

 

西田部会長は、レスキュー事業創設時の部会長だった故三上了道・聖徳園(枚方市)前理事長ら「20年の始まりを創った人たち」に敬意を表した上で、記念小史に「社会福祉法人が地域の声に応えられる存在となるよう努めたい」と決意をつづった。