居住と福祉の包括相談 国交省検討会が素案

2023年1008 福祉新聞編集部

国土交通省は9月21日、住居確保が難しい人への生活支援の拡充を議論する検討会を開き、中間報告の素案を示した。今後の取り組みとして「市町村の住宅部局、福祉部局による総合的、包括的な相談体制を構築することが重要」とした。

 

現在も住宅や福祉などの関係者が話し合う「居住支援協議会」があるが、今後はこれを積極的に活用する。生活困窮者自立支援法に基づく相談支援においても、住まいに関する相談を強化する方向で検討する。

 

検討会は厚生労働省、法務省と合同開催するもので、名称は「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」(座長=大月敏雄・東京大大学院教授)。

 

7月に初会合を開き、年内に中間報告をまとめる。21日の会合では国交省が所管する住宅セーフティネット法について、複数の委員から「厚労省、法務省と共同管理するべきだ」との意見が挙がった。

 

検討会は、1人暮らしの高齢者や障害者など住宅を借りるのが難しい人が増えることに対応するため、既存の法制度を見直す方針。

 

生活上の困りごとを抱えた人には家主が貸し渋る傾向があり、居住支援は福祉制度と密接に絡んでいる。

 

子育て世帯、刑務所出所者も同法の「住宅確保要配慮者」とされ、6月に閣議決定した「こども未来戦略方針」は子育て世帯の住宅支援強化を打ち出した。