保育士に年最大48万円 民間施設と協力し離職防止〈大阪・四條畷市〉
2025年08月07日 福祉新聞編集部
保育士不足を背景に待機児童が発生し、特定の保育所を希望して入所を待つなどの保留児童数が近年増えている。この状況を打開しようと大阪府四條畷市は今年度、市独自の処遇改善事業に乗り出した。民間の保育施設で働く保育士に月4万円、年間最大48万円支給して保育士の離職防止、確保につなげる。市によると、この規模での処遇改善は府内では珍しいという。
市こども政策課によると、今年4月の待機児童は3人で、ここ数年横ばい傾向だ。一方、保留児童は2023年4月に44人だったが、25年4月では94人まで増えた。
背景には深刻な保育士不足があり、人手が確保できないため定員いっぱいまで受け入れることが困難な施設もある。加えて離職して給与水準の高い近隣自治体に保育士が流出してしまうケースもみられるという。
こうした状況を受け、同市民間保育園連絡協議会(通称・四條畷園長会)が市に処遇改善を要望し、協議を経て今年度から両者が協力して取り組むことになった。
市内の民間保育所、認定こども園、小規模保育施設の計12施設で働く保育士、保育教諭に対して月4万円を手当として支給。4万円のうち、3万円は市が負担し、残りの1万円は勤務先の施設が負担する仕組みだ。
およそ200人分の支給を見込み、市は今年度当初予算に7200万円を計上。市はこの取り組みを「未来投資事業」と位置付け、3年間継続した上で効果を検証したいとしている。