地域支援の積極実施 困りごとやニーズ把握を〈全国母子生活支援施設協議会研究大会〉
2025年11月14日 福祉新聞編集部
全国母子生活支援施設協議会(荒井惠一会長)は10月30、31両日、仙台市内で研究大会を開いた。荒井会長は施設数の減少や人材確保難など現場を取り巻く環境が厳しさを増す一方、「母子の生活の場にとどまらず、地域の支援拠点として新たな使命を担う段階にある」と強調。困難ケースの積極的な入所受け入れや地域支援の実施を進めるなど、経営基盤の確立と支援の充実を図ることが重要だと訴えた。
多機能化、高機能化に向け、全母協では産前・産後支援、アフターケアを含む地域支援、親子関係再構築支援を三本柱に据え、積極的な実施を呼び掛けてきた。2024年度同施設実態調査によると、これらに取り組む施設は増加傾向で、親子関係の再構築を支援した施設は3割を超えた。
荒井会長は、これからは少子化などを踏まえ従来の入所支援だけでは難しいとの認識を示し、地域支援の実践などを改めて呼び掛けた。培ってきた専門性を子育てニーズへの対応や妊産婦支援で発揮することで、「施設への理解が進み、地域や自治体からの信頼度も高まる」と述べた。
要対協に参画を
地域の子育てに関する困り事やニーズを把握するため、荒井会長は要保護児童対策地域協議会(要対協)への参画が重要だとし、こども家庭センターなど関係機関との緊密な連携にもつながるとした。
24年度実態調査によると、要対協の三つの会議のうち、個別ケース検討会議に参画する母子生活支援施設は5割近いが、実務者会議は3割にとどまっていた。
荒井会長は実務者会議を念頭に「母子生活支援施設の機能を会議の中でしっかり示していくことで、施設の活用がもっと生まれてくる」と指摘した。

