保育の倒産、廃業増 半期で22件、過去最多ペース〈帝国データバンク〉

2025年0725 福祉新聞編集部
帝国データバンク発表資料より

2025年上半期(1~6月)に発生した保育所を運営する企業の倒産や廃業は昨年の同時期(13件)から7割増の22件に上り、これまで最多だった年間件数(24年の31件)を上回り、年間で過去最多を更新する可能性があることが9日、帝国データバンクの調査で分かった。

帝国データバンクによると、待機児童対策による保育施設の増加や少子化の影響を背景に、こどもの獲得競争が激化している。加えて、保育士の確保難や食材価格の高騰が経営を圧迫し、特に中小の保育所で運営が困難になるケースが増えたという。

付加価値を高める専門プログラムの導入や認定こども園への移行などの動きも進むが、保育施設の余剰感や園児獲得競争はより厳しさを増しており、「今後も淘汰が続く」とみられる。

また、23年度における保育所運営事業者の損益動向も併せて公表した。前年度からの減益は25・2%、赤字は29・1%だった。赤字、減益を合わせた「業績悪化」の割合は6割を超えた22年度からは低下しているものの、54・3%と半数を占めた。

慢性的な人手不足で適切な人員配置が困難になり、受け入れ定員数の制限を余儀なくされる事業者や、保育士の離職防止のために実施した給与水準の引き上げに伴い、運営コストが増大して利益が圧迫される事業者が目立ったという。

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