保育士負担軽減へ 神奈川県は保育補助体験、大阪・豊中市は有償ボランティア

2025年0718 福祉新聞編集部
神奈川県の募集チラシ

保育現場が担い手不足にあえぐ中、自治体では保育士の負担軽減や人材確保に向けて知恵を絞っている。神奈川県は今年度、保育補助の体験と雇用に向けた調整を一体的に提供する新事業に着手した。大阪府豊中市は市立認定こども園で保育に携わる有償ボランティアの登録制度を立ち上げた。

神奈川県は遊びの見守りや掃除、おもちゃの消毒・片付けなど保育士が担う業務の一部を受け持つ保育補助者に着目。「キッズサポーター派遣事業」と銘打った新規事業に乗り出した。

保育士資格を持っていない高校生以上に対し、鎌倉や座間など4市の保育所などで4日程度の保育補助体験を提供する。

体験後、参加者と受け入れ施設双方のニーズを把握し、両者の思いが一致した場合、雇用の調整を担うのも特徴だ。この事業は人材派遣会社に委託する。体験参加者を募っている。

一方、豊中市は7月から市立認定こども園(24カ所)で保育に携わる有償ボランティアの募集を始めた。潜在保育士と、大学などで保育を学ぶ学生が対象で、活動したいこども園で面談して申込書などを提出する。園からの依頼に応じ、工作の下準備・制作や保育中の見守りなどに当たる。活動は1回3時間程度で謝礼は4000円。1人当たり月20回以内。自分のペースで保育体験できる機会を提供することで保育のやりがいや魅力を改めて感じてもらい、潜在保育士の復帰、保育を学ぶ学生の他業界への流出防止につなげたい考えだ。

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