フッ素うがいで虫歯予防 保育所などでモデル事業(兵庫)

2023年1124 福祉新聞編集部
フッ素入り洗口液でうがいをする播磨保育園の園児たち=兵庫県提供

兵庫県は本年度から、歯質強化が期待できる「フッ素」が入った洗口液によるうがいで虫歯防止を目指すモデル事業に取り組んでいる。県歯科医師会と協力しながら、県内7市町の保育所や認定こども園、幼稚園計24カ所で2024年度までの2年間実施し、成果などを取りまとめる。

 

こどもの歯の健康格差の解消を図ることも狙いだ。県内の保育所や認定こども園に通う5歳児約2万8000人を対象にした県の調査によると、虫歯になったことがあるこどもは都市部では低い傾向にある一方、但馬、播磨地域では高い傾向にあった。県内市町の中には独自でフッ素入り洗口液を活用して虫歯防止を図る自治体もあるが、少数にとどまっている。

 

そこで、新潟、岡山など都道府県での先行事例も参考にして、このモデル事業を企画。フッ素を適正濃度に調整した洗口液は県、県歯科医師会が用意するため、施設や保護者に財政負担はない。施設職員の研修や保護者への説明を経て、9月から24施設に通う4、5歳児が週1回、5ccのフッ素洗口液で1分弱ブクブクうがいをしている。

 

播磨町は町内の全7園が参加する。播磨保育園(社会福祉法人播磨福祉会、高島経子園長)では4、5歳児計104人が取り組んでいる。

 

モデル事業の効果を確かめるため、法定歯科健診に加え、2回目の歯科健診を独自で実施して歯の状態を確認。加えて保護者アンケートで洗口実施前後の家庭での取り組みや関心度の変化を評価する予定だ。

 

県健康増進課の担当者は「虫歯防止はもちろんだが、保護者の意識を高めるきっかけにもなれば」と話している。