医療的ケア児支援法、26年の改正目指す〈超党派議連〉
2025年05月20日 福祉新聞編集部
超党派医療的ケア児者支援議員連盟(野田聖子会長)の総会が5月7日、参議院議員会館で開かれ、医療的ケア児支援法の2026年通常国会での改正に向けた議論を始めた。冒頭、野田会長は「医療的ケア児がいずこにもいることができる地域は誰でも居心地がいい、という発想で進めていきたい」とあいさつした。
同法は経管栄養や人工呼吸器などの医療的ケアを受けて暮らす医療的ケア児・者に対する支援の強化を目的に21年6月に議員立法で成立。同9月に施行され、施行3年後をめどに必要な見直しを行うとされている。
厚生労働省によると、医療的ケア児は約2万人(21年)いるとされ、同法により支援策が進められているが、支援には地域差があり、希望する保育所や学校に通うのは難しく、成人後の地域生活の受け皿不足など多くの課題があり、家族は孤立して疲弊し、将来の不安も抱えている。
同日は「18歳の壁」と呼ばれる児童から成人に移行する際の制度や支援体制の課題について当事者団体からヒアリングした。
医療的ケア児の家族ら約4000人が参加する「全国医療的ケアライン」の村尾晴美代表は、年齢を問わず切れ目のない医療、福祉の支援や、地域差なく全国どこでも受けられる基本的支援の保障などを要望。「こどもの健やかな成長を第一に考えた支援の設計をお願いしたい。それが親と子それぞれが自立した生活につながる」と述べた。
NPO法人「かるがもCPキッズ」の江利川ちひろ代表理事は、医療的ケアが必要な娘が地域包括病棟を利用した経験などを語った。そのほか、厚労、文部科学省、こども家庭庁から施策動向の説明もあった。
議連はヒアリングや議論を重ね、秋までに改正原案をまとめる予定だ。