障害者が地域でスポーツ モデル事業を開始(笹川財団、都協会)

2024年0704 福祉新聞編集部
サポートを受けながら水の流れを感じて楽しむ友吾さん(手前)

笹川スポーツ財団と東京都障害者スポーツ協会は、障害者専用・優先スポーツ施設が少なく、地域に運動できる場所のない障害者が日常的にスポーツをできる環境づくりに向けたモデルプログラムを始めた。

財団と協会は、各地で障害者スポーツセンターが拠点となり、近隣の公共スポーツ施設や地域の社会資源(公民館など)に支援のノウハウを伝え、身近な場所でスポーツができる機会を増やすことを提唱しており、それを実証する事業となる。

プログラムには江戸川区が協力し、同区内の特別支援学校「都立鹿本学園」に通う肢体不自由児と親の4組が参加し、来年3月まで行われる。

初回の6月22日はプール教室に同学園、小学2年の平田友吾さん親子が参加。都障害者総合スポーツセンターのスポーツ支援職員がサポートしながら、区総合体育館のスタッフや母の絢子さんに「水の流れを利用して体を動かしてあげる」といったポイントを伝えた。

体育館のスタッフは「立てない人の補助は初めて。導入からの流れが分かった」と話した。今後、区民館などで理学療法士やボランティアに参加してもらい、障害児のスポーツを支援する機会が設けられる。

小淵和也・同財団政策ディレクターは「こうした取り組みは全国で初めて。可視化してほかの自治体も共有できるようにしたい」と話した。