東京都盲ろう者支援センター移転 利用者増で機能拡充図る

2024年0627 福祉新聞編集部
交流会で新センターを訪れ、元気に遊ぶ盲ろう児=東京都盲ろう者支援センター提供

利用者の増加に伴い手狭になっていた「東京都盲ろう者支援センター」が新宿区内に移転して10日開所した。台東区浅草橋にあった旧センターの2・5倍の広さになったほか、盲ろう児支援を始めるなど機能拡充も図る。

視覚と聴覚の両方に障害のある「盲ろう者」の総合的な支援拠点として、同センターは2009年に誕生。盲ろう者と家族への相談支援▽通訳・介助者の養成、派遣▽コミュニケーション、生活訓練――などを実施している。コロナ禍で一時的に利用が落ち込んだものの、利用者は増加傾向で昨年度は延べ2537人の盲ろう者が利用した。

一方、利用者増に加え、盲ろう者1人に複数人の支援者が同行することもあり、旧センターが手狭になっていた。運営受託者の認定NPO法人東京盲ろう者友の会(藤鹿一之理事長)が都に対し、移転を要望していた。

新センターは新宿区岩戸町の「87ビルディング岩戸町」2階。フロア(430平方メートル)に交流・研修室、訓練室、相談室など7部屋を設ける。また、移転に併せて盲ろう児支援にも乗り出す。相談対応に加え、盲ろう児と家族の交流会を毎月第3土曜に開催していく。

13日の開所式後、東京盲ろう者友の会の理事ら7人が取材に応じ、旧センターよりも広々とした空間になったことや、交通の便が良くなったことを挙げて喜びを語った。

藤鹿理事長は「大きな支援センターに移転できて感激していると同時に、責任も重くなったと感じている。1人でも多くの盲ろう児・者にサービスを利用してもらい、明るく元気に頑張っていけることを伝えたい」と話した。