障害児・者数1164万人 精神が57%増で最多に(厚労省推計)

2024年0611 福祉新聞編集部

厚生労働省は5月31日、2022年12月時点の障害児・者数は1164万6000人で、5年前の前回調査に比べて24・3%増えたとする推計を発表した。障害種別でみると前回は身体障害者が最多だったが、今回は精神障害者が56・6%増の614万8000人で最多となり、全体の5割強を占めた=表。

推計は5年に1回実施している「生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害児・者等実態調査)」の結果などから行った。調査には障害者手帳所持者や難病と診断された人など1万4079人が回答した(有効回答率58%)。

手帳を持つ在宅障害者は5年前より9%多い610万人。それに手帳を持っていない人や施設入所者を足して障害児・者数を1164万6000人と推計した。全人口の9・3%になる。

手帳別の所持者をみると身体障害者手帳は5年前より減り、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳は増えた。厚労省は「知的障害や発達障害に対する認知度が上がり、手帳を取得する人が増えたのでは」と推察している。

心身の状態に関する回答では「歩いたり階段を上がったりする」ことに苦労する割合が多く、日常生活では「買い物」を自分でできない割合が高かった。障害福祉サービスは約2割が利用していた。特に必要とする支援は「手当・年金などの経済的援助の充実」「通院して医療を受けること」が上位だった。