障害者雇用ビジネスの業界団体が指針作成 質向上と健全な発展目指す

2024年0422 福祉新聞編集部

企業に貸し農園やサテライトオフィスを提供し、障害者雇用を支援するビジネスを行う事業者が加入する「日本障害者雇用促進事業者協会」(東京都、理事長=西村賢治・スタートライン代表取締役社長)は1日、障害者雇用の質の向上と業界の健全な発展に向け、行動指針となる宣言を発表した。

 

ビジネス事業者は貸し農園料や障害者雇用の支援などで収益を確保できる。企業はビジネス事業者を利用すればノウハウがなくても障害者雇用ができ、障害者は福祉的就労を上回る収入が得られる。

 

それぞれに利点があるビジネスモデルで、今後も拡大が見込まれるが、一部で本来の障害者雇用とはかけ離れた実態もあると指摘されており、こうした背景を踏まえ、促進協は宣言を作成した。

 

宣言は「促進協インクルージョン」「業界コンプライアンス」「促進協サポート」の三つある。業界コンプライアンスでは▽就労者の人権尊重を基本に職業生活を通じて自立生活を送れる社会を目指す▽障害者、労働関連の法規定の知見を高める▽利用企業に対して就労者への合理的配慮、適切な労務管理・福利厚生の支援を行う――ことなどを明記。

 

促進協サポートでは、会員企業が障害者雇用に関する社員研修を行い、労働関連の法規定から逸脱した場合は是正を促すことなどを盛り込んだ。

 

促進協は昨年10月に発足した。会員は10社。厚生労働省によると同様のビジネスを行う事業者は全国に23社ある。