芸術活動で障害者に意見聴取39% 文化庁が美術館など調査

2024年0405 福祉新聞編集部

全国の美術館や博物館のうち、施設の利用方法や事業の企画について障害者に意見を聞いたことがあるとした施設は39%だったことが、文化庁の調べで分かった。主に障害者が鑑賞することを想定した企画などを実施した施設も36%と低調だった。

 

3月6日に開催された障害者文化芸術活動推進有識者会議(座長=日比野克彦・東京藝術大学長)に報告した。文化庁は美術館など文化施設の職員でも障害者文化芸術活動推進法の認知度が4割台にとどまるとし、今後てこ入れを図る。

 

調査は2023年10~11月に実施。文化施設770カ所から回答があり、その6割が美術館、7割が公立施設だった。

 

同法は障害者が美術、演劇、音楽などを鑑賞、創造したり、作品を発表したりすることを「障害者の文化芸術活動」とし、活性化を図るもの。18年6月に施行された。

 

文化庁と共同で有識者会議を開く厚生労働省は、障害者の文化芸術活動をサポートする「障害者芸術文化活動支援センター」(都道府県が設置)が現在、全国に43カ所あり、同センター運営者の6割が福祉施設や社会福祉協議会だと報告した。

 

文化施設側と障害者側を取り持つことがセンターの主な役割だが、文化庁の調査によると、障害者向けの事業で連携する機関として同センターを挙げた文化施設はわずか4%だった。

 

同センターの運営を活性化したい厚労省は、全国の障害福祉施設における文化芸術活動の実態把握を25年度までに行う方針だ。