薬の過剰摂取で搬送、昨年上半期5625人 7割超が女性(厚労省・消防庁)

2024年0225 福祉新聞編集部

市販薬の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送者が、2023年1~6月で5625人に上ったことが3日までに、消防庁と厚生労働省の調査で分かった。

 

23年の年間の搬送者数は、22年までを上回る見通しだ。

若年女性が37%

5625人の7割超は女性で、特に20代までの女性が2056人(37%)と多い。23年は20代までの女性の自殺者数が22年よりも大きく増えたことが厚労省の別の統計で判明している。

 

全国52の消防本部に対し、20年1月から23年6月までの3年半の搬送のうち、救急活動記録の傷病名に「薬」「過剰」といった言葉を含むものを調査した。

 

風邪薬やせき止めなどの大量服用は一時的に気分が高揚することもあるが、意識障害や呼吸不全を引き起こす危険がある。違法薬物よりも危険度が高いという専門家もいる。

 

厚労省は依存性がある成分を含む市販薬を20歳未満に販売する場合は、小容量製品1個に制限する制度見直し案を「医薬品の販売制度に関する検討会」(座長=森田朗・次世代基盤政策研究所代表理事)でまとめ、医薬品医療機器法改正を目指している。