不眠症治療「対面が効果的」 国立精神・神経医療研究センターが成果発表

2024年0128 福祉新聞編集部

国立精神・神経医療研究センターは16日、不眠症に対する認知行動療法について、セラピストによるオンラインでの実施よりも対面実施が効果的だとする研究成果を発表した。

 

物事の受け止め方や考え方に働き掛けて、気持ちを楽にする認知行動療法が不眠症治療に有効なことは知られていたが、複数の手法の組み合わせで行われており、どの手法が有効か解明されていなかった。世界初の研究成果として17日、米国の医学誌で発表した。

 

同センターは、この研究成果によって、より効率的なプログラムの開発につながることが期待できるとみる。
不眠に関する有害な思い込みを和らげる「認知再構成」、不安を受け入れる「マインドフルネス」の有効性も分かった。一方、筋肉を意図的に弛緩しかんさせる「リラクゼーション」の有効性は示されず、むしろ逆効果の可能性があるとした。

 

東京大、京都大などの研究グループが不眠症の成人約3万人が参加した241の比較試験を踏まえて結論づけた。

 

不眠症は人口の4~22%に見られ、身体疾患や精神疾患のリスクを上げる。福祉施設でも入所者ケアの一環として不眠への対処が課題になっている。