全国一斉改選を前に多摩市で民生委員研修会

2025年0921 福祉新聞編集部

12月の民生・児童委員の全国一斉改選を前に、東京都多摩市の民生委員協議会(民協)は先月、市内の委員ら約80人を集めて研修会を開いた。同市の委員充足率は都内で4番目に低く、「このままでは委員確保はもっと厳しくなる」(小山貞子会長)と危機感を強めている。

民児委員は3年ごとに改選、現委員の任期は今年11月末で切れる。それまでに次の委員(任期は12月1日~2028年11月30日)を決めなくてはならない。しかし住民の高齢化、働く女性の増加などで充足率は近年ジリジリ下降。3年前の現委員の就任時点(22年12月1日)では、全国93.7%、東京都87.9%で、多摩市(定数112人)は70.2%と都内23区26市中ワースト4だった。

研修会では中島修文京学院大教授(社会福祉)=厚生労働省「民生委員・児童委員選任要件検討会」座長=が「民生委員活動のいま」と題して講演。最近増えている高層マンションに触れ、「住民同士のつながりが希薄になり、オートロックで訪問もしにくい。対策を検討している自治体もある」と難しさを指摘。一方で、大学生が民児委員にタブレット端末の使い方を指導したり、ひとり暮らしの高齢者を訪問したりといった各地の動きも紹介した。

「コロナ流行期には『訪ねてこないで』という住民もいて活動しにくくなった。でも、任期の長い人ほど『やってよかった』と感じる割合が高い」と全国民生委員児童委員連合会のデータを示し、次の委員候補に「やりがい」を伝えることの重要性を強調した。

多摩市の伊藤重夫健康福祉部長は「市内の高齢者施設の職員(市内在住者)らに委員就任の声掛けをしている」と社会福祉法人の社会貢献へ期待をのぞかせている。

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