GPS機器も給付対象に 福祉用具評価検討会〈厚労省〉
2025年07月23日 福祉新聞編集部
厚生労働省は6月11日、介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会を開き、GPS(全地球測位システム)など通信機能を備えた福祉用具について条件付きで介護保険の給付対象とする方針を示した。今後、社会保障審議会介護給付費分科会に報告した上で、関係通知を改正する方針だ。
現行では、福祉用具と通信機能が物理的に分離できる場合に限り給付対象。利用者が屋外へ出た時に通知する福祉用具も認められている。しかし、利用者が屋外に出た後に、位置情報を家族などへ伝える福祉用具は対象外となっている。
ただ、警察庁の調査によると、認知症で行方不明になる高齢者は2024年に1万8000人と多く、ニーズは高いとみられる。
こうしたことなどから厚労省は、物理的に通信機能が内蔵され、利用者の位置情報を通知する福祉用具も給付対象とする方針を示した。同時に、車いすやベッドなど本来機能に付属して通信機能を備えた福祉用具にもついても認める。
ただ、通話やチャットなどほかの目的で利用できる場合は対象外とする。さらに通信料金やソフトウェア導入費用、端末の調達費用も対象外とし、利用者の自己負担とした。
会合で厚労省の峰村浩司高齢者支援課長は「テクノロジーの力を活用して社会課題を解決するのは、福祉用具の新しい使命だ」と強調。「介護保険の給付対象になって終わりではなく、その後有効に活用されているかについてもしっかりフォローアップしていきたい」などと語った。