訪問介護職員の7割、意欲なくす 基本報酬引き下げで〈長寿社会開発センター調査〉

2025年0606 福祉新聞編集部
長寿社会開発センター発表資料より

2024年度から訪問介護の基本報酬が引き下げられたことで、仕事への意欲がなくなったと答えた現場職員が約7割に上ったことが長寿社会開発センターの調査で分かった。

24年度の介護報酬は全体で1.59%プラス改定となり、このうち0.98%分は介護職員の処遇改善に充てられる。ただ、訪問介護については基本報酬が約2%引き下げられた。

訪問介護で働く人に基本報酬の引き下げを踏まえた仕事の意欲を聞いたところ、「意欲がなくなった」「意欲が著しくなくなった」と答えた割合は合わせて67%に上った。

しかし、厚生労働省は訪問介護の基本報酬減について、処遇改善加算や新設の加算などを算定すれば実質プラス改定との見解を示していた。

この説明に「納得できない」とした割合は81%、納得できたのは19%に過ぎなかった。

訪問介護の未来については「期待できない」が64%で、「期待できる」と答えたのは5%だった。

基本報酬のマイナス改定の影響は大きく、東京商工リサーチによると24年度の訪問介護の倒産は86件で過去最多を記録。同センターは「働く人のモチベーションにも大きく影響を与えた改定だった」と分析。

調査は24年5月、訪問介護事業の管理者、ホームヘルパーらを対象にウェブで実施。167件の有効回答があった。

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