「住宅型ホーム」も規制 財政審が介護保険効率化で建議

2024年0601 福祉新聞編集部

財務省の財政制度等審議会(十倉雅和会長)は5月21日、政府が6月に策定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に向けた建議をまとめた。

介護保険制度については、給付の効率化の一環として、住宅型有料老人ホーム(以下、住宅型)を総量規制の対象とするよう求めた。現在は自治体が計画的に整備する特別養護老人ホームなどと異なり、自由に開設できる点を問題視した。

介護職員を配置しない住宅型では、要介護者は外部の介護サービスを利用する。介護付き有料老人ホームと違って介護報酬が出来高払いのため、同一法人の外部事業所と囲い込んで稼ぎやすいと財政審はみる。

住宅型が特養を上回るほど増えたほか、入居者の3~5割が要介護3以上となった現状を踏まえ、給付の膨張を抑える必要があると判断。住まいに関する介護報酬体系も見直すよう求めた。

介護ではこのほか、ICT(情報通信技術)の活用による生産性の向上▽経営の協働化・大規模化▽保険外サービスの活用▽人材紹介会社の規制強化▽軽度者の生活援助サービスを市町村事業に移すこと――などを求めた。

昨年5月の建議では「障害福祉」についても見直しを求めたが、今回は見送った。一方、昨年はなかった「年金」の記述を盛り込み、被用者保険の適用拡大を求めた。