介護福祉士国家試験、パート合格導入で議論(厚労省)

2024年0526 福祉新聞編集部

厚生労働省は17日にTKPガーデンシティ渋谷11B(東京都渋谷区)で、介護福祉士国家試験パート合格の導入に関する検討会の初会合を非公開で開催した。介護人材の裾野拡大に向け、今秋をめどに具体的な方向性を打ち出す。

会合の座長には臼井正樹・神奈川県立保健福祉大名誉教授が就任。今後数回開催し、今秋にも報告書を取りまとめる。会合を非公開としたのは、「試験の中立公正な実施を阻害する恐れがあるため」(厚労省社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室)だという。

パート合格は、試験が不合格だった場合、基準点以上だった科目については次回の受験で免除する制度。介護福祉士をより一層受験しやすくなる仕組み。 少子高齢化が進む中、厚労省は2040年度末までに新たに約69万人の介護人材が必要と見込む。しかし、同試験の受験者数は13年度の15万4390人をピークに減少している。23年度は7万4595人と半減しており、合格者は6万1747人だった。

試験を受験するには高校卒業後に専門学校で学ぶ「養成施設ルート」などさまざまあるが、中でも受験者の8割を占めるのが、実務経験3年に加えて所定の研修を受講する「実務経験ルート」だ。そのため、厚労省はパート合格を導入することで就労と学習の両立を後押ししたい考えだ。

介護福祉士のパート合格をめぐっては、すでに厚労省の検討会が試験データを分析。今年3月にまとめた報告書は筆記試験の13科目を3分割し、パートごとに合否を判断する方向性などを打ち出している。