ケアマネの人材難はより深刻 日本介護支援専門員協会が賃金改善など提言

2024年0519 福祉新聞編集部

「主任を含む介護支援専門員の確保は一般に認識されている以上に深刻だ」。日本介護支援専門員協会(柴口里則会長)は居宅介護支援事業所に所属する協会会員2000人を対象に行った実態調査から、こう訴えている。状況を改善するため、専門性や重要性に見合った賃金改善、業務や資格更新研修の負担軽減を提言している。

介護支援専門員の採用を過去と比べて「困難」とした回答は78%で、主任介護支援専門員は68%だった。市区町村種別(政令指定都市、中核市、町村など)で見てもいずれも半数を超えており、全国的に採用が困難な状況にあった。採用が困難な最も大きな理由を聞くと「困難な業務と見なされ敬遠されている」が最多だった。事業所の規模は採用に大きな影響はなかった。

介護支援専門員、主任介護支援専門員とも、新規採用に半数以上が「3カ月以上」かかり、「6カ月以上」も30%超あった。過去3年間採用のなかった事業所も約20%が「採用したいが応募がなかった」と答えた。

主任を含む介護支援専門員の賃金が専門性や重要性に「見合っていない」との回答は77%。適当と思う年収は「450万円以上」が46%、「500万円以上」が33%だった(2021年度民間給与実態統計調査の平均年収は434万円)。事業所の規模による賃金の満足度に大きな違いは見られなかった。

協会は民間と同等以上の収入が得られるようにし、ICT(情報通信技術)活用による業務の効率化、テレワークの導入による柔軟な勤務形態などを提言。資格更新研修については地域医療介護総合確保基金などを活用した受講料負担の軽減を求めた。