社会福祉法人の大規模化を推進 財務省が介護保険で提言

2024年0501 福祉新聞編集部

財務省は4月16日に財政制度等審議会財政制度分科会を開き、介護保険制度の今後の方向性などについて議論した。限られた人材を有効に活用して生産性を向上させるため、社会福祉法人の経営の協働化・大規模化が進むよう、さらなる環境整備を行うことを求めた。

主に介護保険事業を行う社会福祉法人の5割強は1、2拠点の小規模経営で、大規模経営に比べて収支差率が低いと指摘。規模が大きいほど特別養護老人ホーム常勤職員の給与が増え、生産性も高い傾向にあるデータも示した。同省はかねて社会福祉連携推進法人制度も活用した協働化・大規模化を提言しており、より円滑に進める取り組みを求めた。

生産性向上に関しては、ICT(情報通信技術)活用を推進して特養や通所介護などの人員配置基準を緩和することも提言した。介護福祉士が利用者に直接介護できる時間について、ICTを日常的に活用していれば、活用していない場合より1・2倍多いという資料も示した。

2018年10月から訪問介護の生活援助の利用回数が多いケアプランは届け出が義務化されたが、届け出を避けるために生活援助を身体介護に替えるケースがみられるため、制度の改善や実効的な点検による適正化を図るよう求めた。

要介護1、2の訪問介護、通所介護の地域支援事業への段階的な移行を進めることや、利用者の2割負担範囲の拡大、ケアマネジメントの本人負担導入も提言した。