業務範囲など論点多数 ケアマネ検討会が初会合(厚労省)

2024年0422 福祉新聞編集部

厚生労働省は15日、「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の初会合を開いた。論点はケアマネジャーの業務範囲、人材確保・定着、法定研修、ICT(情報通信技術)活用による負担軽減など多岐にわたる。秋ごろ中間整理を行い、介護保険制度改正も視野に議論を進める。

 

冒頭、間隆一郎老健局長は「ケアマネジャーが専門性を発揮できる環境を整備するとともに人材確保対策が急務だ」と述べ、幅広い観点からの議論を促した。検討会の座長は田中滋・埼玉県立大理事長が務め、委員は専門職団体、有識者ら12人で構成する。

 

2022年度時点でケアマネジャー従事者は全国に18万3278人、居宅介護支援事業所(介護予防支援を含む)は4万3035カ所あるが、いずれも減少傾向にあり、事業所の4割強はケアマネジャー1人か2人で運営している。

 

一方、利用者は増え続けており(22年は約362万人)、今後も高齢化で増加することが見込まれる。加えて利用者の抱える課題が多様化しており、ケアマネジャーの本来業務ではない支援も無償で担わなくてはならず、現場の負担となっている。ケアマネジャーは処遇改善加算の対象外のため、業務に見合った賃金になっていないとの指摘もある。

 

厚労省の調査では、業務範囲外と考えられる依頼に対応した事業所は約7割あり、その理由は「緊急性が高くて対応せざるを得なかった」が最多。人材確保の課題には「実務研修後の入職者が少ない」「早期離職が多い」などが挙げられ、新規採用が難しい要因は「低賃金」「業務範囲の広さ」「事務負担の大きさ」が上位だった。

 

同日、業務範囲に関して大半の委員が「整理、明確化することが必要」との認識を示したほか、「他の専門職とどう分担していくかが重要」「ケアマネジメントについて整理して議論すべき」といった発言もあった。