外国介護人材の訪問系就労就労、初任者研修修了が要件(厚労省)

2024年0402 福祉新聞編集部

厚生労働省は、EPA(経済連携協定)介護福祉士候補、技能実習、特定技能の外国人が訪問系サービスに従事することについて、日本人と同じく介護職員初任者研修を修了することを前提に認める考えを、3月22日の外国人介護人材検討会に示した。受け入れ事業所には研修やOJT(職場内訓練)、ハラスメント対策を行うことなどを求める。

 

利用者宅で1対1になる訪問系サービスは、言葉や文化の違いから従事できる外国介護人材を制限しているが、検討会ではサービスの質を維持しつつ、外国介護人材が活躍できる場を広げ、キャリアアップを図れるよう議論を進めてきた。

 

受け入れ事業所には研修やOJTのほか、ハラスメント対策としてマニュアルの作成や相談窓口の設置を求める。また、キャリアアップ計画の作成や、記録ソフトによる業務支援などの対応も求め、こうした体制が整備されていることを示す書類を、巡回訪問機関に事前に提出する。現時点で巡回訪問機関は、EPAや特定技能で行っている国際厚生事業団が想定される。

 

外国介護人材の訪問先は、コミュニケーション能力や利用者の特性などを踏まえて判断。利用者や家族への丁寧な説明も求める。

 

国は第三者による母国語での相談窓口の設置や、外国介護人材が初任者研修を修了しやすい環境整備を行う。

 

なお、訪問系サービスのうち、訪問入浴介護は複数人でサービスを提供することから、事業所内研修などを受講すれば従事できるようにする。

 

今後、具体的な制度設計を行う際は、技能実習の規定との整合性や、創設される育成就労に留意しつつ検討を進める。