外国人介護職員の日本語力に個人差 厚労省が訪問系従事者にヒアリング

2024年0226 福祉新聞編集部

厚生労働省は15日、「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会」を開き、介護福祉士の資格を持つ外国人職員が訪問介護に従事している三つの事業者にヒアリングした。日本語能力は日常会話ができることが求められるが、一概に日本語試験のレベルでは判断できず、個人の能力によるとされた。

 

名古屋市の訪問介護事業所「ハッピー」では3人のEPA(経済連携協定)介護福祉士(フィリピン)が働いている。最初の1カ月程度は先輩職員が同行訪問してサービスを提供し、研修や介護記録はタブレットで簡単にできるようにした。生活面もサポートし、一時帰国の休暇も認めている。篠田和博代表取締役は「コミュニケーションアプリを導入してから会話が増えた。相談ごとにも迅速に対応している」と話した。

 

ヒアリングでは、ほかに利用者の特性を踏まえた訪問先の選定、緊急マニュアルの整備、キャリアアップの支援などに取り組んでいるという報告もあった。また、介護福祉士資格のない外国人介護職員が訪問系サービスを行うことについて、研修や経験が必要との意見があった。

 

検討会は現行で認められていないEPA介護福祉士候補、技能実習、特定技能の訪問系サービスへの従事について議論しており、引き続き検討を深めていく。