外国人材の訪問介護を容認へ 厚労省検討会、研修の充実など前提に

2024年0131 福祉新聞編集部

外国介護人材が訪問系サービスに従事することについての議論が22日、厚生労働省の検討会で行われた。現行ではEPA(経済連携協定)介護福祉士候補者、技能実習、特定技能は従事が認められていないが、一定の日本語能力、研修の受講、事業所のサポート体制などを満たせば従事を認める方向性が共有された。検討会では引き続き詳細な議論を行うことにしている。

 

訪問系サービスは利用者宅で1対1になるため、言葉や文化の違い、人権擁護などの観点から、従事できる外国介護人材を制限している。

 

厚労省は検討に至った背景として、訪問介護員の人材不足が深刻なことや、外国介護人材がキャリアアップしながら日本で長く働けるようにすることを挙げた。また、すでに従事が認められているEPA介護福祉士で重大事案は起きておらず、事業所の4割が外国介護人材の受け入れは可能と回答した調査結果も示した。

 

検討の方向性としては(1)複数人で提供する訪問入浴介護は職場内研修などを受講して従事する(2)キャリアアップできるよう日本人と同様に介護職員初任者研修を受けて訪問介護に従事する(3)ケアの質担保のため、基本的事項の研修、緊急時の対応、記録作成の工夫、サービス提供責任者の同行によるOJT研修などを要件とする――ことなどを示した。

 

委員から目立った反対意見はなく、「サービスの質を担保できれば日本人でも外国人でもよい」「一定のルールを定めて事業所の判断に任せるのもよい」といった発言があった。ただ「日本人職員が集まらないのに外国人で埋めるのはどうなのか」という指摘もあった。