訪問介護の基本報酬減 24年度改定、処遇改善加算で補完
2024年01月27日 福祉新聞編集部2024年度介護報酬改定案が、22日に開かれた厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会で了承された。基本報酬は特別養護老人ホーム、通所介護などで増額する一方、訪問介護など4サービスは減額する。現在三つある介護職員の処遇改善加算は6月に一本化し、24年度末まで経過措置が設けられる。
介護報酬全体の改定率はプラス1・59%。そのうち0・98%は介護職員の処遇改善に充てることなどが決まっている。厚労省はその枠内で直近の介護事業経営実態調査の結果などを踏まえ、各サービスの基本報酬や加算の単位を設定した。今後パブリックコメントを経て3月に告示する。
主なサービスの基本報酬の増額幅は▽特養従来型個室2・8%▽特養ユニット型個室2・77%▽通所介護・通常規模(7~8時間)0・59%▽同・大規模型2.(同)0・47%▽老人保健施設ユニット型個室・在宅強化型4%となっている。
減額となるのは訪問介護▽夜間対応型訪問介護▽定期巡回・随時対応型訪問介護看護▽介護予防訪問リハビリテーション。訪問介護については深刻な人材不足から基本報酬の増額を求める声が上がっていたが、2・34%の減額となった。
ただ、介護予防訪問リハを除く3サービスは、一本化する処遇改善加算で最も高い「14・5~24・5%」の加算率が設定されている。
厚労省は「サービスごとの経営状況の違いを踏まえてメリハリをつけた。訪問介護は人件費が収支の7割を占めており、処遇改善を最優先して最も高い加算率とした。小規模事業所が処遇改善加算を取得できるよう支援する」と説明した。
ほかのサービスの処遇改善加算の加算率は特養が9~14%、通所介護が6・4~9・2%、認知症グループホームが12・5~18・6%となっている。
特養のBPSD対応 加算Ⅰは150単位
同日の分科会では各加算の単位や要件も示された。
特養では認知症のBPSDの未然防止、早期対応として創設される「認知症チームケア推進加算」は、Ⅰが150単位/月、Ⅱが120単位/月。テクノロジーの促進に向けて新設される「生産性向上推進体制加算」は、Ⅰが100単位/月、Ⅱが10単位/月となっている。